就職に強い大学の学部はどこか?学部別に調べてみた

「就職に強い大学の学部や学科はどこなのか?」気になる方も多いと思います。

「文系よりも理系のほうが就職に強い」とか「文学部は就職がむずかしい」「経済学部は就職しやすい」ということをよく聞きますが果たしてそうなのか。

学部ごとに調べてみました。

就職に有利な学部を探してみた結果

参考にしたのは文部科学省が出している「学校基本調査」のデータです。

ここに掲載されているデータから、大学のそれぞれの学部の就職状況を挙げていきます。

まず「学校基本調査」のサイトから「調査結果」の「年次統計・統計表一覧」を見てみます。

そこに年度ごとの学校調査の集計が載っています。

最新の平成28年度の「卒業後の状況調査」の「大学」があります。

そこを見ると表番号72の「関係学科別 状況別 卒業者数」というデータがありますので、これを参考に説明していきます。

このデータを見たい場合はExcel(エクセル)のファイルを保存して開きます。

エクセルがインストールされていないパソコンで閲覧するときは「Excel Viewer」をダウンロードしてください。

「Excel Viewer」は無料でダウンロードができて、エクセルファイルを閲覧することができます。

パソコン以外のスマホやタブレットでも見ることができますよ。

大学の学部ごとの就職状況

「関係学科別 状況別 卒業者数」のデータには学部・学科ごとの就職状況の数字が載っています。

それぞれの学部の、

「卒業者数の合計」

「進学者」

「正規の職員等」

「正規の職員等でない者(非正規の職員)」

「一時的な仕事に就いた者」

「左記以外の者」

の数字を順番に挙げていきます。

「正規の職員」というのは正社員、「非正規の職員」は派遣・契約社員、「一時的な仕事に就いた者」はパート・アルバイトの意味になります。

「左記以外の者」は卒業後に進学でも就職でもないことが明らかな者で、言ってみれば無職ですね。

これを「進学者=進」「正規の職員=正」「非正規の職員=非」「パート・アルバイト=パ」「無職=無」でパーセンテージも付け加えて簡単に書き表していきますと、

・人文科学(文学、史学、哲学、その他)

計83976 進3944(5%)正62060(74%)非3910(5%)パ2297(3%)無9439(11%)

・社会科学(法学・政治学、商学・経済学、社会学、その他)

計185883 進4715(3%)正152480(82%)非2982(2%)パ2870(2%)無18036(10%)

・理学(数学、物理学、化学、生物学、地学、その他)

計18250 進7636(42%)正8386(46%)非592(3%)パ189(1%)無1244(7%)

・工学(機械工学、電気通信、土木建築、その他)

計85958 進31273(36%)正48872(57%)非640(1%)パ447(1%)無3871(5%)

・農学(農学、林学、獣医学畜産学、水産学、その他)

計17545 進4111(23%)正11565(66%)非289(2%)パ205(1%)無1185(7%)

・保健(医学、歯学、薬学、看護学、その他)

計57119 進2910(5%)正38609(68%)非856(1%)パ291(1%)無4565(8%)

・家政(家政学、食物学、被服学、住居学、児童学、その他)

計16651 進445(3%)正13822(83%)非925(6%)パ276(2%)無1010(6%)

・教育(教育学、小学校課程、中学校課程、その他)

計43921 進2631(6%)正29347(67%)非6196(14%)パ1902(4%)無3123(7%)

・芸術(美術、デザイン、音楽、その他)

計15320 進1468(10%)正7709(50%)非1302(8%)パ955(6%)無2890(19%)

・その他(教養学、総合科学、人文・社会科学、その他)

計35055 進2388(7%)正26129(75%)非1424(4%)パ752(2%)無3503(10%)

(%の数字は四捨五入してあります)

上の数字からわかることは?

上の数字からわかることは、やはり学部によってそれぞれ就職の違いが出てくることが分かります。

注目する点は4つあります。

1.「人文科学」よりも「社会科学」のほうが就職に強い

2.「理学」「工学」「農学」は進学率が高い

3.「看護学」「家政」は正社員の割合が高い

4.「教育」「芸術」は正社員に比較的なりにくい

という点です。

「文学部よりも法学部や経済学部のほうが就職に強い」ということはよく言われていますが、実際に「人文科学」の正規の職員は74%、「社会科学」は82%という結果が出ています。

正規の職員(正社員)になれる割合が高いほうが「就職に強い」と定義すれば、文学を学ぶ「人文科学」よりも法律や経済を学ぶ「社会科学」のほうが就職に有利となります。

そして「理学」「工学」「農学」の理系は、ほかの学部に比べて大学院への進学率が高いです。

そのため大学卒業後に就職する人の割合が低くなっていますが、大学院へ進学して専門的な知識を学んでから就職する方が多いのでしょう。

「大学院」の表番号78「修士課程の状況別 卒業者数」修士課程を見ると、大学院から就活して正社員採用される割合は「理学」73%「工学」89%「農学」80%となっています。

「理学」は若干数字が下がりますが「工学」の89%は高いですね。

理系の学部は「工学」が特に就職に強いことが分かります。

また「医学」「歯学」はデータがないので省略しますが「薬学」は73%、看護学は92%となります。

看護学は9割を超える就職に一番強い学部ということになりますね。

それ以外で正規の職員の割合が一番高かったのは「家政」の83%で、次が「社会科学」の82%。

8割を超えるのはこの2つです。

「教育」「芸術」は正社員になりにくい?

また「教育」「芸術」は、他の学部に比べて正社員になりにくいという数字が出ています。

「教育」は正規の職員が67%と低く、反対に非正規の職員が14%で、この数字が他に比べて突出しています。

「芸術」は正規の職員が50%と一番低く、非正規の職員が8%、パート・アルバイトが6%、そして突出して多いのが無職の19%です。

「教育」の非正規の職員の多さは意外でしたが、「芸術」の無職の多さは卒業後に独自に作品をつくったりなどの活動している方が多いのかもしれませんね。

文系の学部・学科で一番就職に強いのは?

理系の学部を除いたそのほかの文系の学部・学科の卒業後の「正規の職員(正社員)」の割合を調べてみました。

・人文科学

文学(75%)史学(70%)哲学(69%)その他(75%)

・社会科学

法学・政治学(78%)商学・経済学(83%)社会学(82%)その他(82%)

・家政

家政学(82%)食物学(87%)被服学(71%)住居学(68%)児童学(75%)その他(55%)

・教育

教育学(65%)小学校課程(59%)中学校課程(53%)体育学(66%)特別支援教育課程(60%)その他(69%)

・芸術

芸術(45%)デザイン(62%)音楽(36%)その他(55%)

・その他

教養学(75%)人文・社会科学(75%)国際関係学(80%)人間関係学(72%)その他(74%)

正社員になる割合の高い順に並べると、

1位 食物学(87%)

2位 商学・経済学(83%)

3位 社会学(82%)

3位 家政学(82%)

3位 社会科学その他(82%)

6位 国際関係学(80%)

となります。

ここから文系の学部では経済学関係、または家政学関係が就職に強いことが分かります。

大学へ進学するときの学部の選び方

簡単にみてきましたが、大学の学部ごとに卒業後の状況は違ってきます。

ここでは「就職に強い=正規の職員の割合の高さ」で見てきましたが、実際はそんな単純なものではないですよね。

実際の就職活動では、学部・学科による優劣の差はほとんどないです。

正社員の割合の高い「工学」や「社会科学」の出身者でも就職活動で苦戦することはありますし、数字の低い「教育」「芸術」出身者が簡単に内定が決まることもあるでしょう。

割合でみてもどの学部も正社員が6~8割がほとんどですから、学部・学科による差はあまり考えなくてもいいのではないかと思います。

学部・学科よりもむしろ「大学名」の方を重視している企業のほうが多いです。

大学は就職訓練校ではないですから、理系の一部を除いて大学で学んだことがそのまま社会で役立つということはありません。

なので大学で何を学んだって差し支えないのです。

就職に有利そうな法律や経済を大学で学んだとしても、その知識が就職してから役立つかと言えばそうでもないんですよね。

「法律や経済を学べば就職のときも入社してからも有利」と思われがちですが、実際はほかの学部とほどんど差はありません。

文学部や教育学部や理系の学部などのほかの学部出身でも就職はできますし、自分の専攻と全く関係のない業界にも入れますし、入社後も十分活躍できます。

専攻の内容から「就職に弱そう」というイメージが付きまといますが、実際はそれほど影響もなく就職できます。

それでも就活のときは「なぜその学部・学科を選んだのか?」「大学で主に何を学んできたのか?」は言えるようにしておきたいですね。

苦手な勉強のせいで大学が嫌になることもある

高校から大学へ進学するときに「大学のどの学部・学科に入ったらいいか?」で迷うこともあると思います。

その時に就職しやすい学部・学科にも目が行くと思いますが、やはり自分の学びたい学部・学科に行くのが一番です。

「本当は文学に興味があるけど、経済学部のほうが就職に強そうだし、どちらにするか迷う」という方もいるでしょう。

確かに経済学部のほうが就職に強い数字が出ていますが、両方にそれほど大きな差が開いているわけでもありません。

文学部を卒業して就職している人はたくさんいますし、どの学部でも本人の心がけ次第でいくらでもいい企業に就職できます。

それに就職率が高い学部に行っても、自分の興味のない分野の勉強は苦痛になってくることもあります。

興味がなかったり苦手な分野の学部に入ったために、勉強に身が入らなかったり成績が悪くなったら就活にも影響してきますよね。

そうした点も踏まえて、これから大学に進学する方は自分の選ぶ学部・学科を選んでみてはどうでしょうか。

就職に強い学部・学科はありますが、そこに入れば就職に絶対に困らないというわけでもないのです。

ここのデータは参考程度に見ておくのがいいかと思います。

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